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デジタル終活のやり方。エンディングノートに書くこと・書かないこと

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  1. 1こんなとき

    ミナ

    親がもしものとき、スマホも開けないし、どの銀行やサブスクを使ってるのかも分からない…。

  2. 2見るポイント

    カギまる

    全部のパスワードはいりません。ロック解除の方法とサービスの名前があれば、進められることが多いです。

  3. 3次の一手

    カギまる

    デジタル終活でやることを4つにしぼって、順番に説明しますね。

    ミナ

    それなら、親にも頼みやすいね。

「親のスマホが開けない」「どこの銀行や証券会社を使っていたのか分からない」「サブスク(毎月自動で料金がかかる会員サービス)の請求だけが続いている」。家族が亡くなったあとの、こうした相談が国民生活センターに寄せられています。

デジタル終活は、スマホやネットのサービスについて、もしものときに家族が困らないように準備しておくことです。亡くなった人が残したスマホやネット上のデータは「デジタル遺品」と呼ばれます。先に結論を書きます。

  • やることは4つです。①スマホのロック解除の方法を紙に残す、②使っているサービスの名前の一覧を作る、③Apple・Google のアカウントの「引き継ぎ」の機能を設定する、④保管場所を家族に伝える
  • 全部のパスワードを書き出す必要はありません。どのサービスを使っているかが分かれば、家族は事業者に連絡して手続きを進められることが多いです
  • 書く場所は、エンディングノートや普通のノートで十分です。役所で無料で配っていることもあります(エンディングノートに書くこと・書かないこと)

この記事では、デジタル終活のやり方と、エンディングノートの書き方、家族がもしものときにすることを説明します。

デジタル終活とは?家族が困る3つのこと

国民生活センターは2024年11月に、「デジタル終活」についての注意を呼びかけました。寄せられた相談は、次のようなものです。

  • 亡くなった家族が使っていたネット銀行の手続きをしたいが、スマホのロックが解けず、どこの銀行か分からない
  • スマホのコード決済の相続の手続きが、1か月以上終わらない
  • 亡くなった家族が契約していたサブスクの請求を止めたいが、ID とパスワードが分からない

国民生活センターも、本人のスマホやパソコンのパスワードが分からないと、第三者がロックを解除するのは難しいと説明しています。ネット銀行やネット証券は通帳がないことが多く、家族がその存在に気づけないのも、デジタル遺品の整理を難しくしています。

デジタル終活のやり方:やることは4つ

① スマホ・パソコンのロック解除の方法を紙に残す

国民生活センターは、万が一のときに家族がスマホやパソコンのロックを解除できるようにしておくことをすすめています。スマホのパスコード(画面ロックの番号)を紙に書き、封筒に入れるなどして、他人が簡単に見られない場所(鍵のかかる引き出しなど)にしまいます。番号を変えたら書き直します。

画面ロックの番号は、メールやアプリへの入口でもある大事な情報です。保管場所を伝えるのは、信頼できる家族だけにします。

スマホのロックが開けば、メールやアプリから、使っていたサービスを家族がたどれます。

② 使っているサービスの「名前の一覧」を作る

次のようなサービスの名前を、一覧にしておきます。

種類 例
お金に関わるもの ネット銀行、ネット証券、コード決済(スマホ決済)、クレジットカード
毎月お金がかかるもの サブスク(動画・音楽・アプリ)、有料の会員サービス、携帯電話
思い出・連絡に関わるもの 写真の保存先(iCloud・Google フォトなど)、LINE・SNS、メール

杉並区の消費者センターの資料でも、利用しているサービスが分かっていれば、家族が事業者に連絡して死亡を証明する書類を出すことで、ID やパスワードが分からなくても対応してもらえることが多いと説明しています。**大事なのは、パスワードより「どこを使っていたか」**です。

③ Apple・Google のアカウントの「引き継ぎ」の機能を設定する

Apple と Google のアカウントには、指定した人にデータを引き継ぐための機能があります。どちらもスマホの画面ロックを解除する機能ではありません。仕組みと、渡せるデータも違います。

  • Apple(iPhone):故人アカウント管理連絡先(デジタル終活の iPhone での中心の設定です)
    • 「設定」→ 自分の名前 →「サインインとセキュリティ」→「故人アカウント管理連絡先」から、家族を指定します(iOS 15.2 以降。項目が出ないときは、先に2ファクタ認証(ログインの本人確認を2段階にする設定)をオンにします)
    • 指定すると「アクセスキー」が作られます。本人が亡くなったら、家族はこのアクセスキーと死亡を証明する書類(Apple の案内では、日本では亡くなったことが書かれた戸籍謄本)で Apple に申請し、iCloud に保存された写真・メッセージ・メモ・ファイルなどを受け取れます(Apple)
    • iPhone に覚えさせたパスワードやカード情報、購入した映画・音楽・ブック・サブスクリプションは受け取れません。ここは②の一覧で補います
    • アクセスキーは、印刷してエンディングノートと一緒に保管しておくと見つけやすくなります
  • Google:アカウント無効化管理ツール(Android だけでなく、Gmail を使っている人なら iPhone でも対象)
    • Google アカウントが、本人が決めた期間使われなかったときに、指定した人(最大10人)に知らせ、選んだデータを共有できます。死亡の届け出で動くのではないので、すぐの手続きには間に合わないことがあります(Google)
    • 設定は、ブラウザで Google アカウントの管理画面を開き、「アカウント無効化管理ツール」から、待つ期間と渡すデータを選びます
    • なお Google は、2年以上使われていないアカウントを、データごと削除することがあると案内しています

④ 保管場所を家族に伝える

紙やノートに書いても、家族が見つけられなければ役に立ちません。「どこにしまってあるか」だけは、元気なうちに家族に伝えておきます。中身まで今見せる必要はありません。

エンディングノートに書くこと・書かないこと

エンディングノートは、家族に伝えたい情報や希望をまとめておくノートです。市販のもののほか、役所で無料で配っているものや、普通のノートでもかまいません。市販品には財産や保険、葬儀の希望などの欄があり、デジタルの項目が付いたものもあります。デジタル終活の部分は、次のように書くのがおすすめです。

書くこと 書かないこと
スマホ・パソコンのロック解除の方法 カードの番号・暗証番号(カード会社への連絡で足りる)
使っているサービスの名前の一覧(②) ネット銀行・証券の暗証番号の一覧
故人アカウント管理連絡先のアクセスキー(③) マイナンバー(必要な書類は役所で手続きできる)
写真や SNS を、どうしてほしいか 家族に見られたくないことの詳細
パスワード管理アプリを使っているなら、その開け方の保管場所

パスワード管理アプリを使っている人は、アプリを開く合言葉(マスターパスワード)と復旧用の控えを、サービス名の一覧とは別の封筒に入れて保管します。家族がそれだけで開けるとは限らないので、アプリの公式の引き継ぎ機能や必要な条件も確かめておきます。アプリの始め方はパスワードの使い回しをやめる方法で説明しています。

写真や SNS は、「どうしてほしいか」をまず書いておきます。残したい写真の保存先や、各サービスの追悼・削除の手続きも、分かる範囲で確かめておくと、家族が動きやすくなります。

エンディングノートの選び方

エンディングノートは無料で手に入ることもあります。市区町村が配っていることがあるので、まず役所(市役所・区役所)の窓口やホームページを確かめてみてください。100円ショップにもあります。市販のものは項目が決まっているので、何を書けばいいか迷わずに済みます。買うなら、「デジタル」「スマホ」「ネット」の欄があるものが便利です。

パスワード管理アプリを使わない親世代が、②のサービス名の一覧や、スマホのロックの番号を書いておく場所として、紙のパスワード管理ノートを使う方法もあります。普通のノートで十分ですが、項目が並んでいるほうが書きやすい人向けです。使う場合も、すべての欄を埋める必要はありません。紙そのものにネット経由でアクセスされることはありませんが、なくしたり見られたりすることへの備えは必要なので、持ち歩かず、鍵のかかる場所にしまい、保管場所は信頼できる家族にだけ伝えます。

親にデジタル終活を頼むときは

離れて暮らす親に頼むときは、「全部のパスワードを教えて」と言うと、身構えられてしまいがちです。

  • 頼むのは2つだけ:スマホのロック解除の方法を紙に書いてしまっておくこと、使っているサービスの名前の一覧を作ること
  • 会ったときに、一緒に設定する:iPhone なら故人アカウント管理連絡先に自分を入れてもらう。設定は5分ほどで終わります
  • 中身は見ない約束にする:「もしものときまで開けない」と決めておくと、親も安心して書けます

親のスマホが、あやしい SMS や偽の警告で狙われていないかも心配なら、偽メール・偽SMSの記事とサポート詐欺の記事も、あわせて親と一緒に見てみてください。

家族が亡くなったら:デジタル遺品の整理でやること

  • 亡くなった人のスマホのロック解除:本人のパスコードが分からないと、家族や携帯ショップでも解除は難しいです。まず、紙に残した番号がないか探します。お金を払えば解除できるという相手には、すぐには頼まず、携帯会社やメーカーの公式の窓口に相談します
  • Apple への申請(スマホのロック解除とは別):故人アカウント管理連絡先が設定されていれば、アクセスキーと死亡を証明する書類で、iCloud に保存されたデータを申請できます。スマホの中だけにある写真や、LINE などアプリのトークの中身は、ロックが開けないと見られないことが多いです
  • ネット銀行の相続:キャッシュカード、郵便物、メール、スマホのアプリから、使っていた銀行を探し、その銀行の窓口に問い合わせます。死亡を伝えると、口座は通常、相続の手続きが終わるまで引き出せなくなります
  • 故人のサブスクの解約:クレジットカードの明細から引き落とし先を探し、各事業者に連絡します。解約や相続の手続きは、ID やパスワードが分からなくても、死亡を証明する書類で進められることが多いです(アカウントの中身まで渡されるとは限りません)
  • 困ったときは、消費者ホットライン(188)で、お住まいの地域の消費生活センターに相談できます

やらなくていいこと

  • 全部のパスワードを、今日中に書き出す:なくしたり見られたりしたときの危険が大きくなります。サービスの名前の一覧で、多くの手続きは進められます
  • カードの番号や暗証番号を、ノートに書く:カード会社に連絡すれば手続きできます。ふだんのカードの守り方はスキミング防止カードケースは必要?で説明しています
  • SNS や写真を、今のうちに全部消す:残したい思い出も一緒に消えます。「どうしてほしいか」を書いておけば十分です。写真をスマホの外にも残す方法はスマホのバックアップのやり方で説明しています
  • 有料のデジタル終活サービスに、最初から申し込む:スマホの機能と、エンディングノートや紙で始められます

まとめ

  • デジタル終活でやることは4つ:ロック解除の方法を紙に残す、サービスの名前の一覧、故人アカウント管理連絡先などの引き継ぎの設定、保管場所を伝える
  • 全部のパスワードはいらない。どこを使っていたかが分かれば、家族は解約や相続の手続きを進められることが多い
  • エンディングノートには、スマホの開け方とサービスの一覧を中心に。カードの番号や暗証番号は書かない
  • 親に頼むときは、2つだけお願いして、会ったときに一緒に設定する

何から手をつければいいか分からないときは、3分セルフチェックで「今やること」を3つまでにしぼれます。