偽メール・偽SMSの見分け方は覚えなくていい。開かずに済む3つの習慣
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1こんなとき

ミナ
「お荷物をお届けにあがりましたが不在のため…」ってSMSが来た。本物かな?
2見るポイント

カギまる
見分けなくて大丈夫。メッセージのリンクは押さずに、公式アプリで確かめましょう。
3次の一手

カギまる
開かずに済む習慣と、押してしまったときの対処を説明しますね。

ミナ
見分けなくていいなら、気が楽かも。
「お荷物をお届けにあがりましたが、不在のため持ち帰りました」「お支払い方法に問題があります」「アカウントが一時停止されました」。こんなメールや SMS(電話番号あてに届く短いメッセージ)が、毎日のように届く人も多いと思います。
先に結論を書きます。
- 偽メール・偽 SMS を、見た目だけで見分けるのは難しくなっています。見分け方を覚えるより、メッセージのリンクを使わずに確かめる習慣のほうが、被害に遭う可能性を下げられます
- 習慣は3つです。リンクからは入らない、無料のフィルターを使う、入力を求められたら手を止める
- リンク先を表示してしまっても、何も入力せず、アプリも入れていなければ、まずはページを閉じてください
- パスワードやカード番号を入力してしまったら、そのパスワードの変更と、カード会社などへの連絡を急ぎます
- 家族の分もまとめて備えたい人には、偽サイトに警告を出すセキュリティソフトもあります(3製品の例)
見た目で見分けるのが難しい理由
フィッシング対策協議会に寄せられた偽メール・偽 SMS の報告は、2026年9月の1か月だけで94,661件でした。かたられた会社は、Amazon(約33.2%)、Apple(約11.1%)、セゾンカード、アメリカン・エキスプレス、国税庁の順に多くなっています。SMS では、東京電力、水道局、カード会社、宅配業者をかたるものが報告されています。
よく「差出人のアドレスを見る」「日本語の不自然さを見る」と言われますが、それだけでは足りなくなっています。
- 差出人は偽装できる:警察庁は、送信元の名前やメールアドレスは簡単に変えられ、本物の企業のアドレスを装ったメールも確認されていると説明しています。スマホでは表示される情報が少なく、さらに判断が難しくなります
- 文面が自然になっている:フィッシング対策協議会のガイドラインでも、本物のメールをまねた自然な文面が多く、生成 AI によって、不自然な日本語や誤字を手がかりにするのは難しくなっていると指摘されています
- リンク先も本物に似せてある:本物によく似た名前のサイトが多く、アドレスを見ただけで判断するのも困難です
見分けようとすると、毎回「本物かな、偽物かな」と悩むことになります。それより、本物でも偽物でも、メッセージのリンクは使わないと決めてしまうほうが、ずっと楽で確実です。
習慣1:リンクからは入らない
メールや SMS に「確認してください」と書いてあっても、そのリンクは押しません。代わりに、次の方法で自分からそのサービスを開きます。
- いつも使っている公式アプリを開く
- ブラウザのブックマークから開く
- パスワード管理ツールに保存した、本物のサイトから開く
本当に手続きが必要なお知らせなら、公式アプリやサイトのお知らせ欄などに、同じ案内が出ていることが多いです。案内が見つからず判断に迷うときは、公式サイトに載っている問い合わせ窓口で確かめます。
パスワード管理ツールは、ふつう、保存したときと同じサイトでパスワードを自動入力します。よく似た偽サイトでは自動入力されないことが多いので、「いつもと違う」と気づくきっかけになります。ただし、自動入力されるかどうかだけで本物かを判断はできません。使い方はパスワードを使い回さないための基本と、パスワード管理ツールの始め方で説明しています。
宅配の「不在通知」の SMS は
宅配大手は、公式に次のように案内しています。
- ヤマト運輸:SMS(ショートメール)による連絡は行っていない
- 佐川急便:SMS(ショートメール)による連絡は行っていない
- 日本郵便:ショートメールによる不在連絡のお知らせは行っていない
荷物が気になるときは、SMS のリンクではなく、宅配会社の公式アプリや、不在票・伝票に書かれた番号で、公式サイトから確かめます。また警察庁は、金融機関がメールや SMS で ID やパスワードを問い合わせることはないと説明しています。
習慣2:無料のフィルターを使う
偽のメッセージを、そもそも目に入りにくくする機能があります。多くは無料で、初めからオンになっています。オフにしていないかだけ確認してください。
携帯電話会社の迷惑 SMS 対策
- ドコモ:「危険SMS拒否」。無料・申し込み不要で、初めから適用されています(一部の設定をしている人を除く)
- au:「迷惑SMSブロック」。無料・申し込み不要で、初めからオンです
- ソフトバンク(ワイモバイル・LINEMO を含む):「迷惑SMS対策機能」。無料で、迷惑SMSフィルターとなりすまし SMS の拒否は初めからオンです。URL 付きの SMS を拒否する設定もあります(初期はオフ)
どの会社も、すべての偽 SMS を防げるわけではないと説明しています。届いたものは、習慣1のとおりリンクを押さずに扱います。
スマホのメッセージアプリの機能
- iPhone:知らない相手からのメッセージを分けて表示する機能があります。iOS のバージョンによって名前と場所が違い、iOS 18 では「設定」→「アプリ」→「メッセージ」の「不明な差出人をフィルタ」、iOS 26 以降ではメッセージアプリの「フィルタリングを管理」から設定します
- Android の Google メッセージ:「スパムと詐欺からの保護」が初めからオンになっています。疑わしいメッセージは「スパム / ブロック中」に移されます
メールの迷惑メールフィルター
Gmail などのメールサービスには、迷惑メールを自動で振り分ける機能があります。迷惑メールのフォルダーには、まれに本物のメールが混ざることもあります。届く予定の連絡があるときは中身を確認し、手続きはメールのリンクではなく公式アプリなどから行います。
偽のメールが毎日大量に届く場合は、メールアドレスがどこかで漏れている可能性があります。フィッシング対策協議会は、そうした場合に、迷惑メール対策が強いメールサービスへの切り替えを検討するよう勧めています。
習慣3:入力を求められたら、手を止める
うっかりリンクを開いてしまっても、偽サイトの狙いは、情報を入力させることや、不正なアプリを入れさせることです。次の画面が出たら、その前に手を止めます。
- パスワード、カード番号、口座の情報の入力を求められた
- 認証コード(SMS などで届く数字のコード)の入力を求められた
- スマホにアプリを入れるよう求められた
フィッシング対策協議会も、こうした入力を求められたら、入力する前に本当に必要な手続きかを確かめるよう勧めています。Android でアプリを入れるよう求められた場合は、ブラウザを閉じて、すでに入っている公式アプリから確かめます。
認証コードは、ログインや支払いなどの操作が本人によるものかを確かめるためのコードです。入力するのは、自分で開いた公式アプリやサイトで、自分が始めた操作のときだけにします。自分で操作していないのに届いたコードは、誰にも伝えず、どこにも入力しないでください。
偽メールの見分け方のチェックは、おまけ程度に
検索すると、偽メールの見分け方がたくさん出てきます。参考までに、よくある特徴を挙げておきます。
- 「本日中に」「アカウントが停止されます」など、急がせる・不安にさせる
- ログイン、支払い情報の更新、アプリのインストールを求める
- 短縮 URL や、見慣れないアドレスのリンクが付いている
ただし、当てはまらないからといって本物とは限りません。チェックで迷ったら、結局は習慣1のとおり、公式アプリかブックマークから確かめるのがいちばんです。
開いてしまった・入力してしまったら
当てはまるところを確認してください。
- リンク先を表示しただけ(何も入力していない・アプリも入れていない・通知なども許可していない):まずはページを閉じてください。国民生活センターも、リンク先に入ってしまっても、カード番号などを入力せず、アプリもダウンロードしないよう案内しています
- ID とパスワードを入力した:まず、入力してしまったサービスのパスワードを、公式アプリやブックマークから開いた本物のサイトで、すぐに変更します。同じパスワードを使い回しているサービスがあれば、そちらも変えます。メールに同じパスワードを使っていたら、メールを優先します(ほかのサービスの再設定に使われるため)
- カード番号を入力した:カード会社に連絡して、利用の停止と再発行を相談します。連絡先は、カードの裏面や公式アプリで確かめます。しばらくは、明細に身に覚えのない利用がないか確認します
- ネットバンキングの情報を入力した:銀行に連絡して、身に覚えのない取引がないか確認します
- 認証コードを入力した:認証コードは、ログインだけでなく、送金や支払い、登録内容の変更にも使われます。そのサービスの公式の窓口にすぐ連絡し、身に覚えのない取引や変更がないか確認します。銀行やカードのコードなら、銀行・カード会社への連絡を最優先にします。パスワードの変更や、ほかの端末のログアウトなども、窓口の案内に沿って進めます
- Android で言われたアプリを入れた:スマホを機内モードにし、Wi-Fi もオフにしてから、そのアプリを削除します。パスワードの変更や各社への連絡は、別の端末(パソコンや家族のスマホなど)から行います。携帯電話の料金と一緒に払う「キャリア決済」に、身に覚えのない利用がないかも確認します。削除できないときや、おかしな動きが続くときは、携帯電話会社やスマホのメーカーの窓口に相談します
お金の被害が出たときは、最寄りの警察署か、警察相談専用電話 #9110 に相談します。契約や支払いのトラブルは、消費者ホットライン 188 から近くの消費生活センターに相談できます。
やらなくていいこと
- 返信して確かめる:返信すると、その番号やアドレスが「使われている」と相手に伝わります。何もせずに削除して構いません
- 1通ずつ、本物か偽物かを調べる:習慣1があれば、調べる必要はありません
- 何通か届いただけで、電話番号やメールアドレスを変える:まずはフィルターを使い、リンクを押さない習慣で様子を見ます
なお、届いた偽メールや偽 SMS は、フィッシング対策協議会に報告することもできます(SMS はスクリーンショットをメールに添付して送ります)。義務ではないので、削除するだけでも構いません。
もう一段そなえたい人は:セキュリティソフト
無料のフィルターと3つの習慣で、多くの人は十分です。それに加えて、家族のスマホやパソコンの分もまとめて備えたい人には、偽のメッセージやサイトに警告を出してくれるセキュリティソフトが役に立ちます。どれも、すべての詐欺を止められるわけではありません。自分の端末に有料ソフトが要るかどうかは、セキュリティソフトは必要?Windows・Mac・スマホ別の判断と選び方で整理しています。
ここで紹介する3つは順不同で、おすすめの順位ではありません。どれも30日間の無料体験があります。偽の警告画面を使ったサポート詐欺への備えも含めた選び方は、「ウイルスに感染しています」は偽警告。サポート詐欺の消し方と偽メール対策でも説明しています。
ESET HOME セキュリティ
Android 版には、SMS に入った不正なリンクを見つけて守る「SMS 保護」や、アプリの通知で届く不正なリンクから守る「通知保護」があります。iPhone 版はまだ公開予定の段階です。
ウイルスバスター クラウド
パソコンのブラウザ(Chrome・Edge・Firefox)で、Gmail・Outlook.com・Yahoo!メールの詐欺メールを見つけて知らせる「詐欺メール対策」があります(Mac は Gmail と Yahoo!メールのみ)。ブラウザの拡張機能(Trend ツールバー)を入れて使います。
ノートン 360
スマホ版には、フィッシングの疑いがある SMS を AI で見つけて振り分ける「セーフ SMS」があります。iPhone では、連絡先にない相手からの SMS が対象です。使える機能はプランや国によって違うと公式に書かれているので、無料体験で、自分の端末で使いたい機能が使えるかを確かめてから選べます。
まとめ
- 偽メール・偽 SMS は、見た目だけで見分けるのが難しい。差出人の表示もまねできる
- リンクからは入らない。公式アプリ・ブックマーク・パスワード管理ツールから自分で開く
- 携帯電話会社やスマホ、メールの無料のフィルターがオンか確認する
- パスワード・カード番号・認証コードの入力や、アプリのインストールを求められたら、手を止める
- リンク先を表示しただけなら、まずは閉じる。入力してしまったら、パスワードの変更とカード会社・サービスの窓口への連絡を急ぐ


