きほん公開

「ウイルスに感染しています」は偽警告。サポート詐欺の消し方と対策

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  1. 1こんなとき

    ミナ

    パソコンに「ウイルスに感染しています」って警告が!音まで鳴ってる…!

  2. 2見るポイント

    カギまる

    電話番号が出ているなら、サポート詐欺の偽画面です。電話はしないで、閉じましょう。

  3. 3次の一手

    カギまる

    閉じ方と、もし電話してしまったときにやることを、順番に説明しますね。

    ミナ

    電話しないで、閉じればいいんだね。

パソコンでネットを見ていたら、突然「ウイルスに感染しています」「今すぐ電話してください」という画面が出て、警告音が鳴り出す。とても怖いですよね。これは「サポート詐欺」の偽警告です。対策を知っていれば、落ち着いて対処できます。

先に結論を書きます。

  • ブラウザの画面いっぱいに警告が出て、電話番号が表示されていたら、サポート詐欺を疑ってください
  • 表示された番号に電話しない。画面の中のボタンを押さない。言われたアプリを入れない。何も入力しない。この4つを守れば、お金の被害にはつながりにくくなります
  • 画面はキーボードの操作で閉じられます
  • もし電話してしまっても、やったことに合わせて順番に対処すれば、被害が広がるのを抑えられます
  • 次にそなえるなら、無料のブラウザの警告に加えて、詐欺サイトに警告を出すセキュリティソフトもあります(3製品の例)

この記事では、画面の閉じ方、電話してしまったときにやること、偽メールなどから誘われにくくする方法を説明します。

サポート詐欺とは

偽の警告画面や警告音で「ウイルスに感染した」と思わせ、画面に出した番号に電話をかけさせる詐欺です。電話に出た相手は、サポート担当者のふりをして、次のようなことをさせようとします。

  • サポート代や修理代を払わせる(クレジットカード、コンビニで買わせた電子マネーなど)
  • 遠隔操作ソフト(離れた場所からパソコンを操作できるソフト)を入れさせる。そのまま操作されて、ネットバンキングから不正に送金されるおそれもあります

IPA(情報処理推進機構)の相談窓口に寄せられる相談でも、この「ウイルス検出の偽警告」がいちばん多く、2026年7〜9月は**1,160件(全体の34.4%)**でした。1年前の同じ時期(647件)の約1.8倍です。あわてて電話してしまう人が多いのは、それだけ画面がよくできているからです。

本物の通知との違い

Windows に最初から入っているセキュリティ機能や、自分で入れたセキュリティソフトも、ウイルスを見つけると通知を出すことがあります。見分けるポイントは次のとおりです。

  • 偽の警告:ブラウザ(ネットを見るアプリ)の中に、画面いっぱいに出る。電話番号が書いてあり、警告音や音声が流れることが多い
  • 本物の通知:画面の隅の通知や、そのソフト自身の画面に出る。電話をかけるよう求めることは、まずありません

本物の通知が出たときは、そのソフトの画面を開いて、案内に沿って対処してください。気になるときは、通知のボタンからではなく、スタートメニューなどから自分でそのソフトを開くと確実です。

偽のウイルス警告の消し方(まず画面を閉じる)

警告画面の中にある「閉じる」「キャンセル」などのボタンは押さないでください。押すと、別の画面に進むことがあります。

Windows のパソコン

IPA の手順と警察庁の案内に沿って、次の順で試します。

  1. Esc キーを3秒ほど長押しします。全画面の表示が解けたら、ブラウザ右上の「×」を押して閉じます。「このページを離れますか」などと出たら、「移動」や「離れる」を選びます
  2. 「×」が出てこないときは、ボタンや電話番号が書かれていない場所を一度クリックしてから、もう一度 Esc キーを長押しします
  3. それでも閉じられないときは、Ctrl・Alt・Delete の3つのキーを同時に押し、「タスク マネージャー」を開きます。一覧からブラウザ(Edge や Chrome)を選び、「タスクの終了」を押します
  4. それもできないときは、Ctrl・Alt・Delete の画面で、右下の電源ボタンから「再起動」を選びます。保存していない作業のデータは消えることがあります
  5. 再起動したあと、ブラウザに「ページを復元しますか」と出ても、「復元」は押さずに「×」で閉じます。復元すると、同じ警告がまた出てしまいます

画面を閉じる練習ができる、IPA の偽セキュリティ警告画面の閉じ方 体験サイトもあります(パソコン向け。開くと音が鳴ります)。一度やっておくと、本番で慌てずに済みます。

Mac

  1. ブラウザを終了します。キーボードの command キーと Q キーを同時に押すか、画面上部のメニューからブラウザの「終了」を選びます。「このページを離れますか」と出たら、「離れる」を選びます
  2. 終了できないときは、option・command・esc の3つのキーを同時に押し、出てきた一覧からブラウザを選んで「強制終了」を押します
  3. それでもだめなときは、アップルメニューから再起動します。再起動後に前のページを開き直す表示が出ても、開き直さないでください

スマホ・タブレット

画面の中のボタンは押さずに、そのタブ(ページ)を閉じます。IPA の案内では、次の操作が紹介されています。

  • iPhone の Safari:タブのボタン(四角が重なったアイコン)を長押しして、「タブを閉じる」を選ぶ
  • Android の Chrome:タブのボタン(数字が入った四角のアイコン)を長押しして、「タブを閉じる」を選ぶ

ボタンの位置は、機種やブラウザの版によって画面の上だったり下だったりします。タブのボタンが見えないときは、いったんホーム画面に戻ってブラウザのアプリを終了し、開き直してからタブの一覧でそのページを閉じます。

閉じたあとにやること

画面を見ただけで、ボタンを押していない・アプリやファイルを入れていない・何も入力していないなら、パソコンやスマホを初期化したり、修理に出したりする必要は、ふつうありません。IPA も、画面が出たこと自体でウイルスに感染したわけではないと説明しています。

当てはまるものがあれば、次の対処をしてください。

  • 「通知を許可」を押してしまった:偽の通知が何度も届くことがあります。ブラウザの設定にある「通知」の項目で、そのサイトの許可を取り消します
  • スマホで、言われたアプリを入れてしまった:アプリを削除します。アプリを消しただけでは、課金の登録(サブスクリプション)は解約されません。iPhone は「設定」→ 自分の名前 →「サブスクリプション」、Android は「Google Play」アプリのプロフィールアイコン →「お支払いと定期購入」から確認して、解約します
  • 電話してしまった:次の節に進んでください

もし電話してしまったら

電話してしまっても、自分を責めなくて大丈夫です。何をしたかによって、やることが変わります。当てはまるところをすべて確認してください。

対処を始める前に、偽の画面の写真、相手の電話番号、入れたソフトの名前、相手に伝えた内容を、メモや写真で残しておくと、あとで相談するときに役立ちます。

話しただけで、何も伝えていない・何も入れていない

ソフトも入れず、お金も払わず、パスワードやカード番号なども伝えていなければ、画面を閉じれば十分です。相手から言われたことは無視して構いません。

パスワード・認証コード・カード番号などを伝えた(入力した)

  • パスワード:別の端末(スマホなど)から、そのパスワードを変更します。同じパスワードをほかでも使っているなら、そちらも変えます。メールのパスワードを先に変えると、ほかのサービスの再設定を悪用されにくくなります
  • カード番号:カード会社に連絡して、カードの利用停止と再発行を相談します。連絡先は、カードの裏面や公式アプリで確かめます
  • ネットバンキングの情報:銀行に連絡して、身に覚えのない取引がないか確認します

遠隔操作ソフトを入れてしまった

  1. すぐにネットを切ります。Wi-Fi をオフにする、LAN ケーブルを抜く、ルーターの電源を切るなどです。自分が触っていないのに画面が勝手に動いているときは、特に急いでください
  2. 別の端末から、銀行・カード会社への連絡と、パスワードの変更をします。操作されているあいだに、パソコンに保存していた情報や、画面に表示した情報を見られた可能性があるためです。カード番号を保存・入力していたなら、カード会社にも連絡します。パソコンの復元を待たずに、先に進めてください
  3. 「インストールされているアプリ」の一覧から、入れさせられたソフトを削除します
  4. どこまで操作されたかを自分で判断するのは難しいため、IPA は Windows の「システムの復元」(パソコンを、以前の時点の状態に戻す機能)で、ソフトを入れる前の状態に戻すことを勧めています。復元できない場合は、パソコンの初期化が勧められています。操作が分からなければ、パソコンのメーカーに問い合わせてください

なお、復元や初期化をしても、すでに相手に伝えた情報や、支払ったお金は取り戻せません。2の連絡は、必ず先に済ませてください。

お金を払ってしまった・送金してしまった

  • クレジットカードで払った:カード会社に連絡して、支払いを止められないか相談します
  • 電子マネー(コンビニで買ったカードなど)で払った:発行している会社に、すぐ連絡して相談します。番号を伝えたあとは、取り戻すのが難しいことが多いため、急いでください。購入したカードやレシートは捨てずに残します
  • ネットバンキングで送金した:至急、振込先の銀行と、自分の口座がある銀行に連絡します

あわせて、残しておいた記録を持って警察に相談します(相談先は記事の最後にまとめています)。契約を取り消したい場合は、**消費者ホットライン(188)**から近くの消費生活センターに相談できます。

やらなくていいこと

  • 表示された番号に電話して「本物かどうか」確かめる:確かめる必要はありません。本当にメーカーやソフトの会社に相談したいときは、表示された番号ではなく、公式サイトに載っている窓口を使います
  • 画面を見ただけで、パソコンを初期化したり修理に出したりする:ボタンを押したり、何かを入れたりしていなければ、ふつうは必要ありません
  • 怖くなって、その場で有料のセキュリティソフトを買う:画面が出たこと自体で感染したわけではありません。慌てて買う必要はありません(備えとしての選び方は、このあと説明します)

偽メールや広告からの「入口」を減らす

偽の警告画面には、いろいろな入口から誘導されます。サイトの広告を押したとき、検索結果から怪しいサイトに入ったとき、そして偽メールのリンクからです。

フィッシング対策協議会の2026年9月の報告でも、サポート詐欺へ誘うメールが急増していると指摘されています。件名や文面を次々に変えて大量に送られ、受け取った人と同じドメイン(メールアドレスの @ より後ろ)を装ったものも多いとされています。

入口を減らすためにできることは、次の3つです。

  • メールや SMS のリンクは開かない:用事があるサービスは、いつものブックマークや公式アプリから開きます。この習慣があれば、偽のお知らせかどうかを見抜く必要がありません
  • 迷惑メールのフィルターを使う:Gmail などのメールサービスには、標準で迷惑メールを振り分ける機能があります。オフにしていないか確認します
  • OS とブラウザを最新にする:更新には、危ないサイトへの対策も含まれます。自動更新をオンにしておくと手間がかかりません

最近の偽メールは文面が自然で、見た目だけで見抜くのは難しくなっています。**「見抜こうとする」より「リンクから入らない」**ほうが確実です。偽メール・偽 SMS への備えは、偽メール・偽SMSの見分け方は覚えなくていい。開かずに済む3つの習慣で詳しく説明しています。流出のお知らせを装った偽の連絡については、個人情報流出の連絡が来たら、最初にやることとやらなくていいことも参考にしてください。

サポート詐欺の対策:危ないサイトの手前で警告する仕組み

うっかりリンクを押してしまっても、報告済みの危ないサイトなら、開く前に警告してくれる仕組みがあります。まずは無料のものから確認しましょう。

まずは無料:ブラウザの警告機能を確認する

主なブラウザには、報告されている詐欺サイトや危険なサイトを開こうとしたときに、警告を出す機能が標準で入っています。初期状態でオンになっていることが多いので、オフにしていないかだけ確認してください。

  • Microsoft Edge:「Microsoft Defender SmartScreen」。設定 →「プライバシー、検索、サービス」→「セキュリティ」で確認できます
  • Google Chrome:「セーフ ブラウジング」。設定 →「プライバシーとセキュリティ」→「セキュリティ」で確認できます。「標準保護機能」が初期設定です。より強い「保護強化機能」もありますが、見ているページの情報などを Google に送る仕組みなので、使うかどうかは好みで選んでください
  • iPhone の Safari:「詐欺Webサイトの警告」。設定 → アプリ → Safari で確認できます(古い iOS では、設定の中に Safari があります)

また、Windows 11 には、ウイルス対策の機能(Microsoft Defender)が最初から入っています。なお、Windows 10 は2025年10月14日に通常のサポートが終わっています。Windows 10 を使い続けている場合は、Microsoft の案内で、更新を受け続けられる状態かどうかを確認してください。

もう一段そなえたい人は:セキュリティソフト

有料のセキュリティソフトは、ブラウザの警告に加えて、詐欺サイトを見分ける仕組みを重ねるものです。製品によっては、メールや SMS の詐欺にも警告を出します。次のような人に向いています。

  • 家族(特に親)のパソコンやスマホの分も、まとめて備えたい人
  • パソコンとスマホなど、複数の端末を1つの契約にまとめたい人
  • 困ったときに、日本語で相談できるサポートがほしい人

反対に、ブラウザの警告がオンになっていて、メールのリンクから入らない習慣がある人は、必ずしも必要ではありません。無料で足りるなら、それで十分です。

ただし、セキュリティソフトを入れても、すべての偽警告を止められるわけではありません。ESET の公式の解説でも、広告などで出る偽警告の表示そのものは防げない場合があり、新しい詐欺サイトは止められるまでに時間がかかることがあると説明されています。ソフトを入れていても、「電話番号つきの警告が出たら、電話せずに閉じる」は変わりません。

セキュリティソフトの例

ここでは、詐欺サイトへの対策を公式に説明している3つを紹介します。並びは順不同で、おすすめの順位ではありません。どれも30日間の無料体験があるので、気になるものを試してから決められます。

なお、同じパソコンに2つのセキュリティソフトを入れると、うまく動かないことがあります。試すときは1つずつにしてください。そもそも自分の端末に有料ソフトが要るかどうかは、セキュリティソフトは必要?Windows・Mac・スマホ別の判断と選び方で整理しています。

ESET HOME セキュリティ

1台・3台・5台から選べるので、守りたい台数に合わせやすいのが特長です。詐欺サイトへの対策(フィッシング対策)は全プランに入っています。iPhone 版はまだ公開予定の段階なので、パソコンや Android で使う人向けです。

ウイルスバスター クラウド

1つの契約で3台まで使えるので、自分のパソコンとスマホ、家族のパソコンなどを1つの契約にまとめられます。無料体験はクレジットカードの登録が不要で、終わっても自動で有料にはなりません。迷っている人が最初に試すには、手軽な選択肢です。

ノートン 360

パスワード管理と VPN(外出先の Wi-Fi などで、通信を暗号化して盗み見されにくくする機能)が付いているので、パスワード管理ツールも一緒にそろえたい人に向いています。スタンダードは1台、デラックスは3台まで使えます。表示されている価格は最初の1年間のもので、更新のときは高くなることがあります。無料体験はクレジットカードの登録が必要なので、続けないときは期間内に解約してください。

パスワード管理を別に始めたい人は、パスワードを使い回さないための基本と、パスワード管理ツールの始め方も参考にしてください。

相談先

  • 画面の閉じ方が分からない・技術的な相談:IPA 情報セキュリティ安心相談窓口(電話 03-5978-7509、平日 10:00〜12:00・13:30〜17:00)
  • お金を払った・送金した・遠隔操作された:最寄りの警察署、または警察相談専用電話 #9110。各都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口もあります
  • 契約の取り消しなど:消費者ホットライン 188(近くの消費生活センターなどを案内してくれます)

まとめ

  • ブラウザに電話番号つきの「ウイルスに感染」の警告が出たら、サポート詐欺を疑う
  • 電話しない・ボタンを押さない・アプリを入れない・入力しない
  • Windows は Esc キーを長押しして「×」。だめならタスク マネージャーか再起動。「復元」は押さない
  • 見ただけで何もしていなければ、ふつうは修理も初期化もいらない
  • 電話してしまったら、やったことに合わせて対処する。ソフトを入れたら、まずネットを切り、別の端末で銀行・カード会社への連絡とパスワード変更を先に
  • 入口を減らすには、メールのリンクから入らない。ブラウザの警告機能がオンかも確認する