きほん公開

パスワードをメモ帳に保存するのは危険?同期の確かめ方と移し方

本記事はアフィリエイト広告を含みます。詳しくは広告についてをご覧ください。

  1. 1こんなとき

    ミナ

    パスワードは全部、スマホのメモに書いてあるんだ。これって危ないのかな?

  2. 2見るポイント

    カギまる

    メモは設定によってクラウドにも保存されます。パスワードはパスワード管理に移すのがおすすめ。

  3. 3次の一手

    カギまる

    どこに上がっているかの確かめ方と、移し方を順番に説明しますね。

    ミナ

    消す前に、移せばいいんだね。

パスワードを、スマホのメモアプリやパソコンのメモ帳に書いておく。覚えられないので、そうしている人はとても多いと思います。でも、それは危険なのでしょうか。

先に結論を書きます。

  • メモに書くこと自体より、メモが設定によってクラウド(インターネット上の保存先)に同期され、ほかの端末からも見られる状態になっていることと、1か所を見られると全部のパスワードが分かることが問題です
  • iPhone のメモ、Android の Google Keep、Windows のデスクトップやドキュメント、Mac のデスクトップと書類は、設定によってはクラウドに保存されています。パスワードを写したスクリーンショットも同じです
  • パスワードは、スマホやブラウザに入っている無料のパスワード管理に移すのがおすすめです。メモより守りが固く、保存したサイトのアドレスに合わせて自動入力するので、偽サイトでの入力ミスも減らせます
  • 移し先は、最初から入っている無料のもので十分です(パスワード管理アプリの選び方)
  • 同期を全部オフにする必要はありません。オフにするときは、やり方を間違えるとファイルが見えなくなることがあるので注意します

パスワードをメモ帳・メモアプリに書くのは危険?

メモそのものが、すぐ盗まれるわけではありません。危ないのは、次のような場面です。

  • アカウントを乗っ取られたとき:Apple アカウントや Google アカウント、Microsoft アカウントに入られると、ロックなどをかけていないメモは見られるおそれがあります。パスワードの一覧が、そのまま相手の手に渡ります
  • ほかの端末にも同期されているとき:家族と共用のパソコンや、昔使っていたタブレットに同じアカウントでサインインしたままだと、そこからもメモが見えます
  • スマホを開いた人に見られるとき:ロックをかけていないメモは、スマホのロックを解除すれば誰でも開けます
  • メモだと、使い回しが増えやすい:自分で入力する手間があるので、短いパスワードや、同じパスワードを使いがちです

また、iCloud の標準の設定では、メモは暗号化されて保存されるものの、暗号の鍵は Apple が保管しています。一方で、**iCloud キーチェーン(iPhone の「パスワード」アプリ)に保存したパスワードは、標準の設定でも、Apple 側では読めない方式(エンドツーエンドの暗号化)**で保存されます(Apple の説明)。同じ iCloud でも、パスワードはパスワード用の場所に入れたほうが固い、ということです。

iPhone・Android・Windows・Mac で、勝手にクラウドに上がる場所

自分で「クラウドに保存」を選んだ覚えがなくても、次の場所は設定によって同期されています。

端末 クラウドに上がっていることがある場所 確かめる場所
iPhone メモ、写真(スクリーンショットを含む) 「設定」→自分の名前→「iCloud」で、「メモ」と「写真」がオンか
Android Google Keep のメモ、Google フォトの写真(スクリーンショットを含む) Google フォトのアプリ右上のプロフィールアイコン→バックアップがオンか、どのアカウントか。Google Keep はアプリ右上のアカウント
Windows 11 デスクトップ、ドキュメント、ピクチャ、スクリーンショットなど(OneDrive) タスクバーの雲のアイコン→歯車→「設定」→「同期とバックアップ」→「バックアップを管理」
Mac デスクトップと書類(iCloud Drive)、メモ 「システム設定」→自分の名前→「iCloud」で、「Drive」の「デスクトップ」フォルダと「書類」フォルダ、「メモ」がオンか

Windows 11 では、Microsoft アカウントでパソコンを使い始めると、デスクトップやドキュメントが OneDrive にバックアップされる設定になっていることがあります。「OneDrive が勝手に同期している」と感じるのは、たいていこの設定です。メモ帳で作った「パスワード.txt」をデスクトップに置いていれば、それも OneDrive に上がっている、ということです。

Mac も、デスクトップと書類のフォルダーを iCloud Drive に保存する設定にしていると、そこに置いたファイルはすべて iCloud に保存されます。

同期(複数の端末で、変更が同じように反映される仕組み)そのものは、端末が壊れたときにファイルが残る、便利な仕組みです(同期とバックアップの違いはスマホのバックアップのやり方で説明しています)。問題は、パスワードのような、まとめて見られると困るものが、それと知らずに同期されていることです。

メモのパスワードを、パスワード管理に移す

  1. パスワード管理を選ぶ:iPhone や Mac なら「パスワード」アプリ、Android や Chrome なら Google パスワード マネージャーが最初から使えます。まずは手持ちの端末でこれらが使えるかを確かめ、合わなければ専用のアプリを検討します(下で紹介します)
  2. メモのパスワードを1つずつ移す:大事なサービス(メール、Apple・Google・Microsoft のアカウント、銀行、通販)から先に移します。移すついでに、使い回していたものはサービス側で新しいパスワードに変え、変えたものを保存します
  3. 保存したパスワードでログインできるか確かめてから、メモを削除する:メモアプリの「最近削除した項目」やゴミ箱からも消します
  4. パスワードを写したスクリーンショットや写真も削除する:写真アプリの「最近削除した項目」からも消します

パスワード管理は、保存したサイトのアドレスに合わせて自動入力するので、偽サイトへのうっかり入力を減らせます。いつもの自動入力が出ないときは、入力する前にアドレスを確かめてください。始め方は、パスワードを使い回さないための基本と、パスワード管理ツールの始め方で詳しく説明しています。

パスワード以外のメモはどうする?

家族がもしものときに困らないように残したい情報は、デジタル終活のやり方でまとめています。

暗証番号や、2段階認証の復旧用のコードなど、パスワードの形でないものもあります。

  • パスワード管理のメモ欄に入れる:多くのパスワード管理には、メモを保存する場所があります。ただし、パスワード管理そのものや、それに使うアカウントの復旧コードは、そこに入れるだけにしないでください。締め出されたときに取り出せなくなります。紙に書いて家で保管するなど、別の場所にも置きます
  • iPhone のメモをロックする:メモアプリでは、メモごとにロックをかけられます。ロックしたメモは、Face ID やパスコードなどがないと開けません。ただし、メモ専用のパスワードでロックした場合は、そのパスワードを忘れると Apple でも開けられないので注意します

OneDrive・iCloud の同期を解除するときの注意

OneDrive のフォルダーのバックアップを止めるときは、フォルダーごとにオフにすると、次のどちらにするかを聞かれます。

  • 「自分の PC にのみ保存」:ファイルはパソコンに残り、OneDrive からは消えます
  • 「OneDrive にのみ保存」:ファイルは OneDrive に残り、パソコンのそのフォルダーからは見えなくなります

「止めたらデスクトップのファイルが消えた」というときは、ファイルが OneDrive 側に残っている場合があります。また、パソコンに中身がなく、クラウドにだけあるファイルは、そのままでは移せません。先にファイルを右クリックして「このデバイス上で常に保持する」を選び、ダウンロードしてから止めます。

Mac で、デスクトップと書類の iCloud Drive への保存をオフにすると、ファイルは iCloud Drive に残り、Mac には新しい空のデスクトップと書類のフォルダーが作られます。必要なファイルは、まず iCloud Drive から Mac 側へコピーし、開けることを確かめます。iCloud Drive から消すと、同じアカウントのほかの端末からも消えるので注意します。

やらなくていいこと

  • クラウドの同期を全部やめる:写真や連絡先を残すための大事な仕組みです。まずはパスワードを移し、ログインを確かめ、元のメモを消すことから進めます
  • 自宅で保管している紙のメモを、あわてて捨てる:家から出さない紙は、ネット経由では盗まれません。持ち歩かず、家族や来客の目にふれにくい場所にしまっておけば十分です
  • パスワード付きのメモアプリを新しく探す:パスワードを入れる場所としては、最初から入っているパスワード管理のほうが向いています
  • 「高度なデータ保護」をあわてて設定する:対応する iCloud のデータを、Apple 側では読めない方式で保護する設定です。そのかわり、アカウントに入れなくなったとき、そのデータの復旧を Apple が手伝えなくなります。仕組みを理解してから検討すれば十分です

パスワード管理アプリの選び方

まずは、最初から入っている無料のもので十分です。端末がバラバラだったり、家族と共有したかったりするときは、専用のアプリを検討します。並びは順不同です。

iPhone・Mac だけなら

Android・Chrome が中心なら

端末がバラバラで、まず無料で試したいなら

家族と分けて共有したいなら

セキュリティソフトとまとめたいなら

ノートン 360 には、ウイルス対策などに加えてパスワード管理が付いています(ここで紹介しているのは有料のセキュリティソフトとしての契約です)。セキュリティソフトも一緒に考えている人は、1つの契約にまとめられます。セキュリティソフトが必要かどうかの判断から始めたい人は、パスワード管理だけ無料のものを使い、ソフトは後で考えても遅くありません。判断のしかたはセキュリティソフトは必要?Windows・Mac・スマホ別の判断と選び方で整理しています。

まとめ

  • メモ帳のパスワードが危ないのは、設定によってクラウドに同期されていることがあるのと、1か所見られると全部分かるから
  • iPhone のメモ・写真、Android の Google Keep・Google フォト、Windows のデスクトップやドキュメント(OneDrive)、Mac のデスクトップと書類(iCloud Drive)は、同期されているかを一度確かめる
  • パスワードは無料のパスワード管理に移し、ログインできるのを確かめてから、メモとスクリーンショットを「最近削除した項目」からも消す
  • 同期を全部止める必要はない。止めるときは、OneDrive なら「自分の PC にのみ保存」を選ぶとファイルがパソコンに残る

何から手をつければいいか分からないときは、3分セルフチェックで「今やること」を3つまでにしぼれます。