時事公開

JAL不正アクセスで個人情報流出、対象かの確認と今日やる3つのこと

  1. 1こんなとき

    ミナ

    JALの個人情報流出のニュースを見た。私も対象なのかな?

  2. 2見るポイント

    カギまる

    JALが委託している会社への不正アクセスです。対象の人にはJALが個別に連絡します。

  3. 3次の一手

    カギまる

    今日やることは3つ。便乗した偽の連絡への備えも、いっしょに確認しましょう。

    ミナ

    まず何を確かめればいいか、順番が分かってきた。

2026年10月28日、JAL(日本航空)と日本トランスオーシャン航空(JTA)が、予約システムの委託先への不正アクセスを発表しました(JAL・JTAの公式発表)。予約情報の一部が外部から参照された形跡があるという内容です。

先に結論を書きます。

  • 対象のお客さまには、JALが個別に連絡すると発表されています。連絡が来るまでのあいだ、見知らぬリンクや「確認用」の画面に予約番号や個人情報を入力しないようにします
  • 公式発表では、クレジットカード番号と各種パスワードの漏えいはないとされています
  • 注意したいのは、この件に便乗したJALを装う不審なメール・電話・偽サイトです

この記事は、公式発表と報道で確認できた事実だけをまとめます。原因や責任について、推測は書きません。

アマデウスへの不正アクセスで何が起きたのか(公式発表より)

JALとJTAの公式発表によると、内容は次のとおりです。

  • 経緯:2026年10月23日、予約・発券・搭乗手続きなどを処理する旅客サービスシステムの委託先、Amadeus IT Group, S.A.(以下「アマデウス社」)から、同社システムへの不正アクセスで予約情報の一部が外部から参照された形跡があると報告を受けた
  • 対象の期間:2023年8月10日から2026年9月23日。発表では「予約記録が外部から参照された形跡がある期間」とされています
  • 人数と、参照された形跡がある項目
    • 約90,000名:予約番号、氏名、搭乗日、搭乗区間、搭乗クラス
    • 約2,000名:上記に加えて、メールアドレス、電話番号、パスポート番号、国籍、マイレージ番号、航空会社、便名、航空券番号、座席番号など
    • 合計で約92,000名
  • 漏えいはないとされたもの:クレジットカード番号、各種パスワード
  • その他:アマデウス社は必要なセキュリティ対策を完了している。現時点で、情報が不正に使われた事実は確認されていない。運航への影響はない

人数や項目は、Impress WatchやAviation Wireなどの報道でも同じ内容が伝えられています。実際に不正アクセスがあった日時は、公表されていません。

JAL不正アクセスで、自分は対象?

対象のお客さまには、JALが今後個別に連絡すると、公式発表に書かれています。連絡の方法は、発表には書かれていません。

  • 期間の日付だけでは、対象かどうかを判断できません。発表では、対象は「日本航空・日本トランスオーシャン航空便名の予約記録の一部」とされています
  • 連絡がまだ来ていないことだけで、対象外とは判断できません。メールの場合は、迷惑メールのフォルダも見ておきます
  • 郵送や電話の場合も、文面のリンクやQRコード、書かれた番号は使いません。差出人がJALやJTAの名前でも、それだけで本物とは判断せず、自分で開いた公式の窓口で確かめます
  • 自分で対象かどうかを調べようとして、メールやSMSのリンクから「確認」しないでください

どうしても気になるときは、JALの専用の問い合わせ窓口があります(この記事の最後に載せています)。

今日やること3つ

1. 公式の発表を、自分で開いて確認する

ニュースやSNSの要約ではなく、JALの公式発表で、対象期間と項目を確認します。開くときは、保存してあるブックマークやJALの公式アプリを使います。検索して開くときは、「広告」「スポンサー」と書かれた枠は使わず、アドレスが www.jal.co.jp であることを確かめてください。メールやSMSに書かれたリンクは使いません。

2. JALを名乗る連絡は、リンクも電話番号も使わずに確かめる

「JALから」と書かれた連絡が届いたら、内容が本物かどうかを、自分で開いた公式サイトや公式アプリで確かめます。メールやSMSに書かれたリンク、電話番号、添付ファイルは使いません。

JALの公式発表では、対象者には個別に連絡するとされています。あわせて、JALグループを装った不審メール・不審電話・偽サイトへの誘導などへの注意喚起も含めて、必要な対応を行うとされています。本物の連絡が来る可能性もあるので、「届いたらすべて偽物」と決めつけず、連絡の中のリンクや番号を使わずに、公式の窓口で確かめます。

3. 予約の心当たりをメモしておく(問い合わせるつもりがある人向け)

対象かどうかの判断のためではなく、問い合わせるときに説明しやすいように、思い出せる範囲で次のようなことをメモしておきます。必須ではありません。

  • JALやJTAの便を予約したことがあるか、それはいつごろか
  • 海外の便など、予約にパスポート番号を登録したことがあるか
  • 予約に使ったメールアドレスや電話番号

パスワードやカード番号は、メモに書かないでください。

パスポート番号が含まれる人(約2,000名)の注意

公式発表では、約2,000名について、パスポート番号や国籍、連絡先などが参照された形跡があるとされています。

  • 2026年10月28日付の発表には、パスポートについて利用者が取る個別の手順は書かれていません。対象者への個別連絡の内容と、公式の続報を待ちます
  • 朝日新聞の報道(Yahoo!ニュース)によると、JALはパスポートの写真は閲覧されていないと説明しているとのことです。公式ページの本文では確認できていない情報なので、参考程度にとどめてください
  • パスポートそのものをなくした、または不正に使われたおそれがあるときは、パスポートを発行した窓口の案内を確認します。日本のパスポートなら、国内は都道府県のパスポート窓口、海外は日本の大使館・総領事館や外務省の案内が目安です。外国のパスポートなら、発行した国の公的な窓口に確認してください

「パスポート番号を確認したい」と求める電話やメールが届いても、相手の連絡先には応じず、公式の窓口を自分で調べて確かめます。

便乗した偽の連絡に気をつける

下の漫画は、よくある手口を例にした想定の場面です。この件に便乗した偽メールが実際に確認されたという意味ではありません。

流出のニュースのあとは、それに便乗した偽の連絡が届くことがあります。JALも、JALグループを装った不審メール・不審電話・偽サイトへの誘導に注意するよう呼びかけています。たとえば、次のような形の連絡が考えられます。

  • 「お詫びとしてマイルを付与します」「返金します」と、手続きのリンクへ誘導する
  • 「情報流出の確認のため」と、ログイン画面や入力フォームへ誘導する
  • 電話で、パスワード、認証コード、カード番号を聞き出そうとする

迷ったときは、次のことを思い出してください。

  • リンクや電話番号は使わない。公式アプリや、自分で開いた公式サイトから確かめる
  • パスワード、認証コード(スマホに届く数字のコード)、カード番号は、メールや電話で聞かれても伝えない。自分で開いていない画面にも入力しない
  • 「今日中に」と急がせる連絡ほど、一度立ち止まる

流出の連絡が来たときの基本の確かめ方は、個人情報流出の連絡が来たら、最初にやることとやらなくていいことにまとめています。偽のメールや SMS を開かずに済ませる習慣と、うっかり入力してしまったときの対処は、偽メール・偽SMSの見分け方は覚えなくていい。開かずに済む3つの習慣で説明しています。

パスワードは、この件では急いで変えなくてよい

公式発表では、各種パスワードの漏えいはないとされています。この件を理由に、JALのパスワードを今日中に変える必要はありません。

ただし、同じパスワードを複数のサービスで使い回しているなら、別の機会に見直す価値があります。すでに偽の画面にパスワードなどを入力してしまった場合は、この項目には当てはまりません。個人情報流出の連絡が来たら、最初にやることとやらなくていいことの「すでに被害があるときは」の手順に進んでください。

マイレージ番号が参照された形跡がある人は、公式アプリでマイルの残高や履歴に覚えのない動きがないか、ときどき見ておくと気づきやすくなります。

使い回しの見直し方法は、パスワードを使い回さないための基本と、パスワード管理ツールの始め方で説明しています。

やらなくていいこと

不安なときほど、必要以上のことをしてしまいがちです。次のことは、やらなくて構いません。

  • 対象かどうか分からないのに、慌ててJALのアカウントを削除する:削除しても、すでに参照された形跡のある情報は戻りません。対象者への連絡は、JALが個別に行うとされています
  • JALのパスワードを、この件だけを理由に今日中に変える:パスワードの漏えいはないとされています。使い回しの見直しは、落ち着いてからで十分です
  • クレジットカードを、この件だけを理由に止める・再発行する:カード番号の漏えいはないとされています。ただし、利用明細はいつもどおり確認しておきます
  • 公式の案内がないまま、パスポートの再発行を急ぐ:JALの発表には、再発行を求める記載はありません。必要かどうかは、続報や発行窓口の案内を確認してから考えます
  • 届いた連絡の電話番号に折り返す:確認は、自分で調べた公式の窓口から行います
  • 不安をあおる有料の「流出監視」サービスに、その場で申し込む:必要かどうかは、公式の続報を確認してから考えれば十分です

ANAについて

ANA(全日本空輸)も、10月29日に同じ委託先のアマデウス社に関する発表を出しています(ANAの公式発表)。

  • アマデウス社から、ANA便の予約情報に第三者からの不正アクセスが発生し、お客さまの一部の個人情報が参照された形跡があるとの報告を受けた
  • アマデウス社と連携して影響範囲を調べている。詳細が確認でき次第、対象のお客さまに知らせる

対象の人数や項目は、ANAの発表には書かれていません。ANAを利用している人は、続報を公式サイトで確認してください。ANAの名前を使った偽の連絡にも、上と同じように、リンクや電話番号を使わずに確かめます。

JALの専用問い合わせ窓口(公式発表より)

  • 電話番号:日本国内から 0120-25-6050 または 03-4332-7280/海外から +81-3-4332-7280
  • 開設期間:2026年10月29日(木)から
  • 受付時間:日本時間 10:00〜17:00(土日祝日を除く)

電話をかける前に、番号がJALの公式発表に載っているものと同じかを確かめてください。メールやSMSに書かれた番号は使わないようにします。

まとめ

  • JAL・JTAの委託先への不正アクセスで、約92,000名の予約情報が参照された形跡がある。うち約2,000名はパスポート番号などの項目も含まれる
  • カード番号と各種パスワードの漏えいはないとされている
  • 対象かどうかは、JALからの個別連絡で分かる。リンクや電話番号を使わず、公式で確かめる
  • 便乗した偽の連絡に注意する。パスワードや認証コードは伝えない
  • アカウント削除やパスワードの一斉変更など、慌ててやらなくていいこともある
  • ANAも同じ委託先について発表している。人数や項目はまだ示されていない

この記事は2026年10月29日時点の公式発表と報道をもとにしています。続報で内容が変わることがあります。